2002年の春だったろうか。買い物帰りの足元に現れたのは。
身体も小さく、痩せて薄汚れ、間違ってもかわいいとは言えない貧相な顔に、とてもかわいい声。
妻が頭を撫ぜると、目を細めてうれしそう。
その後何度か見かけたが、近くの家で飼われていたのが引越しのとき置いていかれた、近所の人がしばらくはご飯あげてた、今はマンション入り口で人が来るとおねだりしている、ということが分かってきた。
そんなある日、「お腹大きい!」
妻も驚き心を痛めている。
ふと気づくと、マンション内にご飯“らしき”ものやダンボール&毛布が点在している。どうやら何人かの住人もかわいそうに思っているようだ。
いろんな物を食べた形跡があるが、フライドポテトやハンバーガーの包みまで目にするようになって、このままではまずい!と・・・(猫はたまねぎを食べてはいけない)
狭いうちには、凶暴“べる”がいるので保護はできない。
大きなお腹で何度も襲われたりしたら、身体もおかしくなってしまうだろう。
先のことは後で考えることにして、とりあえず、変なものを食べて身体おかしくしないように、猫缶やドライフードをあげることになった。
それからは、朝、夕方、深夜の定期便。(当時、私の帰宅はいつも深夜)
こんなに食べて大丈夫?って位食べ、よく飲む。
最初は持っていったが、そのうち、玄関前、玄関中と食卓が移動していった。
お隣さんもかわいがってくれているようだ。
そんなある夜、帰宅しても姿が見えない。
いつも遠くからキャーキャー鳴きながら駆け寄ってくるのに。夕方も現れず、置いといたご飯もそのままだったらしい。
今まで一度も欠かすことなかったので、何かあったのかと深夜探し回ったが行方知れず。
翌日、ちょっと早めに帰宅した私の足に、後ろから擦り寄ってきた猫のお腹は小さくなっていた。
「生まれたの?!」
一生懸命食べている姿を妻と見ながら一安心。
それからちょうど50日後、おかあさんと4匹の子猫が我が家に仲間入り。
#あまりのかわいさに、帰宅時間も早まった私。(お持ち帰り仕事増えただけだが)
2002.06.30-らら-出産後37日-肉もついて、貧相な猫から薄汚れた猫にLevel Up
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